トルコの現在の金融政策とスワップポイントへの影響

トルコリラ

こんにちは、リラデビルです!
私はFIREを目指して少しずつトルコリラのスワップポイント複利投資を続けています。
スワップポイントの今後を占うには、トルコの金融政策について学ぶことが非常に大切です。この記事では現在のトルコの金融政策を簡単にまとめてみました。

1. 背景:高インフレとリラ安の進行

トルコ経済は長年にわたり高いインフレと通貨リラの下落に悩まされてきました。特に、2024年にはインフレ率が75%を超える場面もあり、経済の不安定さが顕著でした。エネルギー価格の高騰、食品価格の上昇、そしてエルドアン大統領の低金利政策が、こうした問題を助長しています。

通貨リラの価値も大きく低下し、2007年に1トルコリラ=99円台だったものが、2025年2月時点では1トルコリラ=4円台まで急落しました。このような状況の中、トルコ中央銀行(TCMB)は金融政策の引き締めを余儀なくされました。


2. 直近の金融政策の動向

トルコ中央銀行はインフレ抑制を目的として、2024年3月に政策金利を50%まで引き上げました。その後も高金利政策を維持し、2024年12月には金利を47.5%に引き下げ、2025年1月にはさらに45.0%へと利下げを行いました。

この利下げはインフレがピークを過ぎたことを背景に実施されたものの、市場は慎重な反応を示しています。利下げによって経済成長を促す意図はあるものの、高金利政策の緩和がトルコリラのさらなる下落を引き起こす可能性もあるため、投資家の警戒感は依然として強いです。

さらに、トルコ政府は財政支出を拡大し、国内経済の成長を促す政策を続けています。これにより、短期的な景気回復が期待されるものの、財政赤字の拡大やインフレ率の再上昇といったリスクもはらんでいます。


3. スワップポイントへの影響

トルコリラのスワップポイントは、政策金利の変動に大きく影響を受けます。一般的に、政策金利が高いほどスワップポイント(=金利差による利益)は大きくなり、逆に金利が低下するとスワップポイントも減少する傾向があります。

現在の政策金利(45.0%)は依然として高水準ですが、過去の50%からは引き下げられており、今後も利下げが続く場合、スワップポイントは徐々に減少する可能性が高いです。これにより、スワップポイント狙いの長期保有投資家にとっては収益が減少し、トルコリラの投資妙味が薄れる可能性があります。

また、トルコリラの為替レートが下落し続ける限り、高いスワップポイントを得ても、通貨の下落による評価損が発生するリスクがあるため、慎重な投資判断が求められます。


4. 過去の金融政策の変遷と影響

過去数年間のトルコの金融政策を振り返ると、エルドアン大統領の政権下では金利を低く保つ政策が頻繁に実施されました。しかし、それがインフレを抑えるどころか加速させる要因となり、経済の不安定化を招いたことが指摘されています。

2021年から2022年にかけては、中央銀行が金利を引き下げた結果、トルコリラが急落し、インフレ率が急上昇しました。これにより、輸入コストの増大、消費者の購買力の低下、企業の財務状況の悪化といった問題が生じました。

2023年以降、政府はこれまでの低金利政策を見直し、再び金利を引き上げる方向に舵を切りました。この結果、一時的にトルコリラの下落は抑制されたものの、インフレが根強く続いており、完全な安定には至っていません。


5. 今後の展望とリスク要因

トルコ中央銀行の今後の金融政策は、インフレ率の推移次第で決まると考えられます。エルドアン大統領は低金利政策を支持しており、経済成長を促進するためにさらに利下げを求める可能性があります。しかし、インフレが再び加速するリスクがあるため、中央銀行は慎重な判断を求められるでしょう。

スワップポイントに関しては、トルコリラの金利が今後どの程度下がるかが鍵となります。もし政策金利がさらに低下すれば、スワップポイントの魅力が薄れ、トルコリラの買い需要が減少するかもしれません。一方で、金利が一定以上維持されるならば、高金利通貨としての魅力を保ち続けることができます。

また、国際情勢や地政学的リスクもトルコ経済に大きな影響を与える要因です。特に、エネルギー輸入コストの変動、中東地域の不安定性、欧米諸国との外交関係の変化などが、金融市場に波及する可能性があります。


6. 結論

トルコの金融政策はインフレ抑制と経済成長のバランスを取る難しい局面にあります。政策金利の引き下げは、経済活性化を狙ったものですが、トルコリラの下落やスワップポイントの減少といった副作用を伴います。

投資家にとっては、トルコリラの為替リスクとスワップポイントの動向を注意深く監視し、慎重に投資戦略を立てることが重要です。特に、利下げが進むにつれてスワップポイントが低下する可能性があるため、これまでのような高金利通貨としての魅力が減退する可能性を考慮しながら投資判断を行う必要があるでしょう。

また、トルコ政府の経済政策が今後どのように変化するか、中央銀行の独立性が維持されるかも重要なポイントとなります。これらの要因を総合的に分析しながら、適切な投資戦略を検討することが求められます。

利下げによって為替差益は出る可能性がありますが、これまで通りのスワップポイントを得られる可能性は少し下がります。Lot数のバランスを考えながら今後も投資戦略を考えていきます。

以上、リラデビルでした!

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